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2016年08月19日

癌になってからも仕事を辞めずに、なるべく収入を落とさないようにする3つのステップ

癌になってからも仕事を辞めずに、なるべく収入を落とさないようにする3つのステップ

つい最近まで、癌になったら仕事を辞めて入院しながら治療を受けることが当然のように思われていました。

しかし医学の発展に伴ない、少しずつではありますががん治療と仕事の両立に成功している人も増えてきています。

なるべくなら生活の質(Quality of Life)を落とさずに、安定した収入を保ちながら治療を受けたいものですよね。

そこで今回は「癌になってからも仕事を辞めずに、なるべく収入を落とさないようにする3つのステップ」をご紹介します。

まずは知っておきたいがん治療の現状

生涯でがんになる確率は男性62%、女性46%

生涯でがんになる確率は男性で62%、女性で46%と、まさしく2人に1人はがんになる時代です。

しかし、がん治療の発展は目覚ましく、入院は最低限で、通院での治療がメインになりつつあります。

抗がん剤の副作用も抑える治療方法も進化してきています。

日本ではがんと聞くと完治に向けて闘病するイメージが強いですが、海外では慢性疾患というようなイメージで上手に生涯付き合っていくという考えが強い国もあります。

がんと診断された3割の人が仕事を辞めてしまう

通院がメインとなりつつあるがん治療ですが、がんと診断されて職場を去る人は多いです。

静岡県立がんセンターを中心とする「がんの社会学」に関する研究グループによると、がんと診断されて会社を退職した人の割合は3割とのことでした。

その内の半数近くは、治療が始まる前に辞めています。

しかし、治療が終わってから転職した人の約4割が非正規雇用となっています。

国もこの事態を重くみて、企業向けに「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を出して、仕事とがん治療の両立に向けた支援プランを出しています。

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000113365.html

このガイドラインは、企業と医師ががん患者様(従業員)の働き方や病状などの情報を共有して、職場への復帰プランを作成するというようなものです。

これは、様々な問題も抱えていて、例えば診断書に「肉体労働は難しい」、「時短勤務が望ましい」、「激しい労働は難しい」という風に書いてあると、そういった制度のせいで解雇の理由になったり、将来的なキャリアの形成の阻害要因となる可能性まであります。

なので、「両立支援プランを企業には見せて欲しくない」という声も多く上がっています。

多くのがん患者が生活の質(QOL)の低下で苦しんでいる

近年、がん治療に関して、クオリティ・オブ・ライフ(Quality Of Life)という考えが重要視されています。

QOLとは「生活の質」という意味で、がんの治療だけでなく、身体的副作用や心理的問題、また経済的な問題を考慮した治療を行なうべきだと考えられています。

簡単に考えると、がんの治療を続けていく中で満足できる生活が送れなかったり、経済的に生きているのが苦しいと感じるのであれば治療している意味がない、とも言えます。

そういったQOLの低下を引き起こす原因として、仕事を辞めてしまったことによる収入の減少が一番に考えられます。

そうならない為に、がんになっても仕事を続ける、または仕事を辞めても収入をなるべく減らさない為の3つの方法をチェックしておきましょう。

【step1】がんと診断されたら治療プランを含めて会社に報告することが大事!

医師から伝えられた治療スケジュールをまとめて上司に報告しよう

がんと診断されたら、医師から治療内容とその日程を提案されます。

手術の場合は手術や入院の日程、抗がん剤治療の場合は投与スケジュール、放射線治療の場合は日程の予約などをして治療を待つことになります。

それが分かったら、まずは会社の上司に報告をしておくことが大切です。

なぜなら、仕事を継続するためには「上司や同僚、仕事関係の人々など、周囲の理解や協力」が必要不可欠だからです。

会社の人に自分はがんだと言いたくない、という気持ちは分かりますが、頻繁に中抜けしたり、理由もなく連休を取ったりすることにマイナスイメージを持つ会社も少なからず存在します。

誰にも話さずに一人で治療を行なうよりも、社会人としてスケジュール管理をおこない上司や人事に報告をする方が、信頼を生むことにも繋がり、スムーズな引き継ぎや復職ができる可能性も高まります。

がんの支援制度を採用している会社もある

会社の上司や人事、総務部へ報告を行なった際に、就業規則をもとにどのくらい会社を休むことができるのか相談をしてください。

もしかしたら、育児休暇や介護休暇と同じように、がん治療の休暇制度を実施している事を教えて貰えるかも知れません。

また、休職から復職までの流れを確認したり、業務内容の変更や勤務時間の調整をすることも大切です。

会社からの評価が下がってしまうことは仕方がないときもありますが、治療を続けながらも働き続けることで会社にどのような貢献ができるのかを考えましょう。

休職する場合は同僚や部下、取引先には病名を公表しない方が吉

会社と話し合った上で休職をする場合、出来るかぎり同僚や部下、取引先に報告をするべきですが、病名までは公表しない方が良いケースも多いです。

理由として、『相手の心の負担になってしまう可能性』があったり、残念なことですが『社内で不利な立場に追い込まれる可能性』があるからです。

「病気でしばらく入院が必要なのでお休みを頂きます」程度にとどめた方が良いかも知れません。

しかし、メンタル的な支えは時として必要です。伝えなかったことで後悔しそうな友人や家族など、相手を選んで伝えることで気持ちの面でサポートが得られることもあります。

社内では業務上最低限の人にだけ話しておいて、しっかり休養を取り、迅速な職場復帰を目指しましょう。

【step2】仕事での収入減は仕方がない。だからこそ国のがん支援を受けよう!

今までどおりの仕事は出来ないことを自覚しておく

長期入院をした場合は、足腰が弱っていたり、思っている以上に体力が落ちていたりするので、今までと同じようにバリバリと仕事をこなすことは非常に困難です。

また仕事に必要な体力が十分に回復しているかどうかを判断するのは、プロの医師であっても難しいことです。

職場に復帰した直後はどうしても張り切ってしまいがちですが、なるべくなら少しずつ仕事量を増やしてもらうような配慮をしてもらうことが望ましいです。

必要なリハビリ期間だと割り切って、周りからのサポートを感謝して受けとることが円滑なコミュニケーションの秘訣です。

収入が減った分は国からの支援を受けて生活の安定を図ろう

がん治療の為に仕事を休業したり、勤務時間を短くした場合、どうしても給料をこれまでと同額貰うというのは難しくなります。

その上、がん治療に必要な医療費の支払いも増えるので、家計からの支出は増えたのに収入が減ってしまい赤字になってしまうことが十分予想されます。

こうした問題に対処するために、公的な助成や支援制度を活用して、少しでも経済的な負担が軽減されるように役立てて下さい。

がん患者が国から受けられる支援制度を確認しよう

がん患者が国から受けられる支援制度は大きく分けて3つの種類があります。

それぞれ支援が受けられる条件や手続きが異なりますので、がん相談支援センターや医療機関の相談窓口、医療ソーシャルワーカーや医療コーディネーターなどに確認をしてみましょう。

■医療費の負担を軽減する制度

・高額療養費制度
1ヵ月に支払った医療費が自己負担限度額を超えた場合に、健康保険から払い戻しをしてくれる制度です。

・小児慢性特定疾患医療費助成制度
18歳未満の児童の慢性疾患のうち、小児がんなど特定の疾患について、医療費の自己負担分を補助する制度です。

・確定申告による医療費などの控除
1年間に一定以上の医療費の自己負担があった場合、確定申告を行うことにより税金が軽減される制度です。

・ひとり親家庭等医療費助成制度
母子家庭や父子家庭の子供が18歳に達した年度末まで、その子どもと母または父の医療費の一部が支給される制度です。

■少なくなった収入を補う制度

・傷病手当金
健康保険に加入している方を対象に、療養中の給料が傷病手当金より少ない場合、その差額分が支給される制度です。

・生活福祉資金貸付制度
低所得者を対象として、各市区町村が低利または無利子で資金の貸し付けと、必要な相談や支援を行う制度です。

・生活保護
世帯の収入・資産が最低生活費の金額に満たない場合、健康で文化的な最低限の生活を保障し、自立を支援する制度です。

■がんにより障害を持ったときの支援制度

・障害年金
病気やけがが原因で生活や労働に障害が生じた場合、生活を保障するために支給される年金制度です。

・身体障碍者手帳
身体に障害のある方が国や自治体の各種サービスを受けるために必要な手帳です。がんの場合は、人工肛門や尿路変更ストーマ、咽頭部摘出による音声機能障害などが該当となります。

詳しい条件や手続きの方法については下記のリンクから確認をしてみて下さい。
“がん情報サービス 公的助成・支援の仕組みを活用する”
“がん情報みやぎ お金のことについて”
“患者・家族、医療従事者が使える がん制度ドック”

【step3】仕事を解雇させられた!?フリーランスという選択肢もある!

仕事を不当解雇させられたのならきっちり退職金を請求しよう

「がんになったことを会社に報告したら解雇通知を受けた。これは不当解雇じゃないか?」といった質問がインターネット上で話題になっています。

さまざまな議論がありますが、労働契約法上では、会社が従業員を解雇する場合には客観的に合理的な理由が必要となります。

例えば以下のようなケースでは、解雇事由として相当であり、正当な解雇の理由となります。

(1)傷病等による労働能力の喪失や低下・・・・普通解雇
(2)労働者の勤務成績の不良・・・・・・・・・普通解雇
(3)労働者の協調性の欠如・・・・・・・・・・普通解雇
(4)労働者の規律違反行為・・・・・・・・・・懲戒解雇
(5)経営上の必要性・・・・・・・・・・・・・整理解雇

しかし、上記の中で(1)(2)(3)(5)にあたる解雇理由については、企業側が教育をしたり配置転換を行うなどの改善努力をする義務があり、それが十分になされていない状態での解雇は出来ません。

また合理的な理由があっても、解雇を行う際には会社は少なくとも30日前に解雇の予告をする必要があります。解雇予告を行わない場合には、30日分以上の平均賃金(=解雇予告手当)を支払わなければなりません。

もし、自分が不当に解雇されたと感じている場合は、労働組合や労働基準監督署などに相談をしてみましょう。無料で退職金の請求に関して相談に乗って貰えるケースもあります。

今までの経験を活かし、クラウドソージングで収入を得る

クラウドソージングとは、インターネットを介して不特定多数の人(crowd)に業務を発注(sourcing)したり、受注者の募集ができるサービスのことです。

受注者は、インターネットに接続できる端末(パソコンやタブレット、スマートフォン等)があれば、どこに居ても、いつでも、誰とでも仕事をすることが出来ます。

主なクラウドソージングを行なっているサイトとして「クラウドワークス」や「ランサーズ」、「シェフティ」、「クラウディア」などが挙げられます。

もちろん登録から仕事の受注まですべて無料なので、受注者側からお金を支払ったりするような怪しいお仕事ではありません。

アンケートに答えて報酬2円といった簡単な仕事から、趣味やファッションに関する記事作成で5,000円~、英文翻訳10,000円~、専門的な分野ではCAD図面の作成50,000円~など、多方面にわたり多くの種類の仕事が依頼されています。

自分がこれまでの仕事で得た知識を活かして、フリーランスとして収入を得るということも選択肢の一つに入れてみると良いでしょう。

がん患者への就労支援サービスを活用して色々と相談しよう

医療技術の進歩により、がん患者の5年生存率がおよそ60%までに向上している状況の中、厚生労働省では病院とハローワークが連携する新たな取り組みを始めました。

個々の患者の希望や治療状況を踏まえた職業相談・職業紹介、患者の希望する労働条件に応じた求人の開拓、患者の就職後の職場定着の支援などの就職支援を全国的に実施しています。

厚生労働省のホームページで、実施箇所が記載されたPDFを配布しているので、下記リンクを参考にしてお近くの職業安定所に問い合わせをしてみるのも、再就職への第一歩となるかも知れません。

“厚生労働省 長期療養者就職支援事業”

まとめ

企業などでは、時短勤務やがん専門の治療休暇制度などを作っているところはありますが、まだまだ少ないのが現状です。

しかし、3割もの人が職場を辞めているといえば深刻ですが、逆に言えば7割もの人が職場を辞めずに済んでいるということです。

がんの5年生存率などの確率に挑んで治療を行うという行為よりも、辛くても職場を辞めないという決意が仕事を続ける上で一番大事なのかもしれません。



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