重粒子線治療の費用はいくら必要?対象となるがんの部位と病院の予約について

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がん先端医療の重粒子治療とは

「重粒子線治療」というがんの治療法をご存知でしょうか。生命保険や医療保険に加入している方なら、保険の営業マンから「先進医療特約」を付けた方が良いと勧められた経験があると思います。今ではほぼすべての保険会社の保険プランに、がんと診断された時点で一時給付金が受け取れたり、重粒子線治療、陽子線治療といった先進医療を受けた場合に治療費を全額負担してくれる先進医療特約というオプションが付いています。
では、その重粒子線治療や陽子線治療といった先進医療とは一体どんなものなのでしょうか?重粒子線という名前は知っているけれど、どんな治療法なのか分からない、という方のために本日は重粒子線治療について分かりやすく説明いたします。

目次


重粒子線治療とは

重粒子線治療はテレビやCMなどで、副作用のない「夢の治療」という風に紹介され一躍有名になった治療方法です。重粒子線治療は放射線治療の一種ですが、通常のエックス線ではなく、炭素イオン線を使った治療になります。エックス線と炭素イオン線の違いを理解するためにも、まず放射線治療とはどういうものかをご説明します。

放射線治療の効果と副作用について

従来の放射線治療は、エックス線やガンマ線、電子線などを体内のがん細胞に照射して、がん組織を破壊する治療法です。体にメスを入れずに身体の中にあるがん細胞を破壊するため、手術のように体力を消耗せず、がんが発生した臓器を摘出することもなく治療することが可能です。
しかし、体の外からエックス線を照射した場合、細胞を破壊する能力が一番強いのは体の表面になります。そのため、体内にあるがん細胞を破壊する為にエックス線を照射しても、体の表面部分に一番ダメージが出るので、がん細胞を破壊するのに十分な量の放射線を当てるのは困難です。

炭素イオン線はエックス線では難しい大量照射が可能に

炭素イオン線はエックス線と違い、一定距離を進んだ後に急激に高いエネルギーを発してそのまま消失する「ブラッグピーク」と呼ばれるという特徴を持っています。その特徴を利用した治療法が重粒子線治療で、抜群の破壊力を持ちつつも正常細胞に与えるダメージは皆無に近く、通院で治療が出来るまさに夢のような治療法です。効果が高い治療なのに、午前中に重粒子線治療を受ければ、午後にはゴルフに出かけると言ったことが可能なほど副作用がないのが一番の魅力でしょう。

重粒子線治療と陽子線治療の違い

重粒子線の他にも陽子線と言って、水素の原子核である陽子を照射する治療法があります。基本的に重粒子線治療と陽子線治療との間に大きな違いはありません。(重粒子線の方がピンポイントに当てられる特徴はあります)ただ重粒子線に比べて陽子線の方が攻撃力が低いので、より照射回数が多くなるというデメリットがあります。
例えば肺がんに対して重粒子線治療を行なう場合、通常のエックス線の照射回数と比べて照射回数は3分の1から4分の1程になりますが、陽子線はそれよりも照射回数が若干多くなります。

重粒子治療と陽子線治療の費用

重粒子線、陽子線は保険適用が効かない自由診療です。治療費用はいずれも300万円前後で、重粒子線の方が若干高いです。さらに国内で重粒子線治療が受けられる施設は5か所、陽子線治療が受けられる施設は11か所しかありません。
しかしこれでも世界で一番多い国となっており、1990年代前半に重粒子線治療施設の開発を断念した米国よりも技術力は一歩リードしています。

先進医療と自由診療の違いとは

重粒子線治療、陽子線治療ともに一般の自由診療と違い、先進医療の認定を受けています。先進医療の認定を受けていると、普通の自由診療ではできない混合診療が可能となります。普通の自由診療では、同じクリニックで行う他の治療もすべて自由診療の扱いとなり、保険診療と同じ内容の治療でも高額になってしまいがちです。
しかし、重粒子線は先進医療の認定を受けているので、保険診療と併用して使うことができるというメリットがあります。

重粒子線の治療対象となるがんの部位とは

これまで重粒子線について説明をしてきましたが、すべてのがんに対して重粒子線治療が受けられるというわけではありません。エックス線治療と同じく、血液やリンパに乗って移動しているがんに対しては治療は出来ず、適応となる症例も限られています。現在、重粒子線の適応となっている症例は以下の通りです。

・脳腫瘍
・頭頚部腫瘍
・食道腫瘍
・肺がん
・肝臓がん
・膵臓がん
・子宮がん
・直腸がん
・前立腺がん
・骨、軟部腫瘍
・眼球腫瘍
・涙腺がん

この中から、罹患数が一番多い肺がんについてもう少しだけ掘り下げて行きましょう。

重粒子線が受けれる肺がんの種類

同じ肺がんと言っても小細胞がん、腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどいくつか種類があります。重粒子線を受けることが出来る肺がんの種類は、非細胞がんと呼ばれる腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんの3種類です。その上、遠隔に転移のあるがんは受けることが出来ないことになっています。対象となるステージは、1~3期までのがんに限られていますが、1期のがんだと手術でも大丈夫ということで重粒子線をうってくれないということもあります。
ちなみに、遠隔転移のあるステージ4の患者様が重粒子線の対象にならないのは、重粒子線が効かないのではなく、ステージ4にもなると全身にがんが転移している可能性が高いので、重粒子線のような局所に対して行う治療は無意味になる可能性が高い為です。その場合は、重粒子線のような局所に対する治療ではなく、抗がん剤や免疫療法、遺伝子医療などの全身に行える治療が対象となります。

重粒子線治療の流れ

重粒子線の施設に連絡を入れて予約をとります。(医療コーディネーターにご連絡を頂けると代わりにお取りします。)
その後、医師の説明を聞き、患者様のがんが重粒子線治療に適応するがんだった場合、後日もう一度説明を聞き、同意書にサインをします。(ここまで1~2週間)
その後、CTを撮ったり、固定器具の作成を行ったりします。固定器具とは、体が動かないように固定する器具です。
重粒子線は威力が強い炭素線を使うので、万が一照射中に動いて違う臓器を傷つけてしまうと大変なことになりますので、1人1人に合わせてオーダーメイドで作成します。
すべての準備が整ったら、照射という流れになります。
照射は通院が基本です。ステージ1などの小さいがんだと1~2回の日帰りで終わることも多々あります。大きいがんでも肺がんの場合12回くらいで終了します。治療期間は3週間くらいです。

手術と重粒子線治療の違い

夢の治療法と呼ばれる重粒子腺ですが、局所制御率、つまりがんがあった部位における再発や完治率は、手術に対して重粒子線が優れている訳ではありません。ほぼ、同等か劣るくらいです。痛みがなく、合併症の心配などが少ないという意味で、夢の治療と呼ばれています。

重粒子線でも再発は防げない

重粒子線はあくまで、手術の変わりになりうる治療方法です。大きながんが出来て、それを取り去るのに手術にするか重粒子線にするかという選択に過ぎません。最近はトモセラピーなど優れた放射線の機械も出ているので、300万円もかけて重粒子線をする意味は薄れてきているかもしれません。
しかし、痛みを伴わない治療なので、優れた治療方法であるのは間違いありません。そんなに優れている治療方法にも関わらず、何故再発は防げないのでしょうか。

がんはどうして再発するのか

がんで一番怖いのは見えないほど小さながんが全身に散らばっているかもしれないということです。手術で「見えるがんはすべて取りきりました」とお医者様が手術の成功を伝えてきても、その後に抗がん剤などを薦めてくるのはこの為です。目に見えない小さながんが体の中のどこかでゆっくりと時間をかけて成長し、長い年月をかけて大きくなり再発してしまうのです。
なので、がんを治療するには手術や重粒子線などの局所に行う治療と抗がん剤や遺伝子医療などの全身に行う治療を同時に行う必要があります。

まとめ

重粒子線治療はエックス線に比べて非常に高い効果が期待できる治療法です。しかし、治療を受けるには高額な費用が必要であり、手術と同じように局所的な治療となるので全身に散らばっているがんには効果がありません。検査で見つかった大きながん腫瘍に対しては手術や重粒子線治療を行ない、体の中に隠れている小さながん細胞に対しては全身療法で退治していくことが必要です。
がんの治療でお困りなら、いつでもがん専門医療コーディネーターにお問い合わせ下さい。



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